ムッシュ(Monsieur)の意味と正しい使い方|フランスで恥をかかない呼びかけのマナー
「ムッシュ」という言葉は、日本でも料理界やファッション界の重鎮の愛称として、あるいは映画の中で、なんとなく耳にしたことがあるはずです。
でもこの言葉、フランスでは知っているかどうかで旅の印象が変わるほど大切な言葉です。パリでデザインスタジオを営む私たちBeurre Confitureが、正しい意味と、ガイドブックにはあまり書かれていない使い方のマナーをお伝えします。
ムッシュ(Monsieur)の基本の意味
Monsieur は成人男性への敬称。日本語の「〜さん」「旦那様」、英語の Mr. / Sir にあたります。発音は「ムッシュー」(「ムッシュ」と短く言っても通じます)。
語源をたどると mon(私の)+ sieur(主君、殿)。つまり「私の主君」という、最大級の敬意から生まれた言葉です。女性には madame(マダム)を使います。
フランスでいちばん大切なマナー:Bonjour だけでは足りない
ここがこの記事でいちばんお伝えしたいことです。フランスの店やホテルで挨拶をするとき、「Bonjour」だけで終えると、少し素っ気なく聞こえます。
正解はこちら。
Bonjour, monsieur.(ボンジュール、ムッシュー)
Bonjour, madame.(ボンジュール、マダム)
最後に敬称をひとこと添える。たったこれだけで、「マナーを知っている人」として扱いが目に見えて変わります。ブティックに入るとき、カフェで注文するとき、ホテルのフロントで。フランスでは店に入る側が先に挨拶するのが礼儀で、その挨拶には敬称まで含まれる。これが現地の常識です。
場面別の使い方
- カフェで店員さんを呼ぶ:Monsieur, s'il vous plaît !(ムッシュー、シルヴプレ/すみません!)。「ギャルソン」と呼ぶのは今では失礼にあたります
- 道を尋ねる:Excusez-moi, monsieur.(エクスキュゼモワ、ムッシュー/すみません)
- お礼を言う:Merci, monsieur. Au revoir !(ありがとう、さようなら)
日本語の「ムッシュ」
日本では、フランスと縁の深い料理人やデザイナーへの敬愛を込めた愛称として「ムッシュ◯◯」という使い方が定着しました。本来の「敬意の言葉」という核はそのままに、親しみが加わった、日本独特の進化形と言えます。
「MONSIEUR」を着るということ。パリの猫紳士
私たちのコレクションには、この言葉を刻んだ一枚があります。主役は、蝶ネクタイを締めた一匹の猫。思わず Oh là là!(おやおや!)と声が出る、ユーモアと品格の同居です。
猫は、パリがいちばん愛する動物。気ままで、優雅で、誰にも媚びない。それでいて確かな存在感がある。「ムッシュ」と呼びたくなる佇まいとは、まさにこういうことではないでしょうか。
まとめ
- ムッシュ(Monsieur)=男性への敬称。語源は「私の主君」。女性には madame
- フランスでは「Bonjour, monsieur / madame」まで言うのが正しい挨拶
- 店に入るときは、客の側から先に挨拶するのがマナー
- カフェで店員を呼ぶときも「Monsieur, s'il vous plaît」
これまでご紹介してきた言葉たち。セラヴィ、ジョワ・ド・ヴィーヴル、クー・ド・フードル。次回はこれらを含む「フランス語のおしゃれな言葩12選」を、保存版としてまとめてお届けします。
