ボンジュール(Bonjour)の正しい使い方|フランスで最も大切な一語である理由
フランス語で最初に覚える言葉、ボンジュール。「こんにちは」という訳で間違いではありません。でも現地での本当の役割を一言で言うなら、こうなります。ボンジュールは、フランス社会の入場券です。
パリでデザインスタジオを営む私たちBeurre Confitureが、この一語の重みと正しい使い方をお伝えします。
ボンジュール(Bonjour)の基本の意味
- bon(ボン)=良い
- jour(ジュール)=日
直訳「良い一日を」。朝から夕方まで、一日中使える挨拶です。
言わないと、何が起きるか
フランスの店で、ボンジュールを言わずにいきなり用件を切り出すと、店員の表情が曇り、対応が目に見えてそっけなくなります。冗談ではなく、本当に起きます。
フランスでは、挨拶の前に用件を話すことは「あなたを人として認識していません」というメッセージに等しいのです。逆に言えば、ボンジュールさえ言えば、多少フランス語が拙くても、驚くほど親身に助けてくれます。パリジャンが不親切だという噂の正体は、半分以上がこの「ボンジュール抜き」問題です。
3つのルール
- 店に入ったら、客から先に言う。エレベーターや診察室の待合でも、その場の人に一言
- 敬称を添えると格が上がる:Bonjour, monsieur / madame。詳しくはムッシュの記事で
- 一日一回が原則。同じ人に二度目のボンジュールは「さっき会ったのを忘れた?」のニュアンスに。二度目は Re-bonjour(ル・ボンジュール)と冗談めかすのがパリ流
ボンソワール、サリュとの使い分け
- Bonsoir(ボンソワール)=こんばんは。切り替えは日没ごろ、目安は18時前後。迷ったら周りに合わせれば大丈夫
- Salut(サリュ)=やあ。友人・家族限定のくだけた挨拶。店では使いません
- Bonne journée(ボンヌ・ジュルネ)=良い一日を。別れ際に使う「出口の挨拶」。Bonjour が入場券なら、こちらは退場の作法です
挨拶が服装より雄弁な国で
面白いことに、フランスでは装いよりも挨拶で人が判断されます。どんなにトレシックな着こなしでも、ボンジュールのない人は野暮。逆に、スウェット一枚でも、朗らかな Bonjour, madame ! が言える人は紳士です。私たちが服に言葉を刻むのは、この国で言葉こそが最高の装いだと知っているからかもしれません。
まとめ
- ボンジュールは挨拶ではなく「入場券」。店では客から先に言う
- 用件の前に必ず一言。これだけでフランスでの扱いが変わる
- 18時ごろからはボンソワール、別れ際はボンヌ・ジュルネ
- 同じ人には一日一回。二度目は Re-bonjour で笑いに変える

